まだあげ初めし前髪の 林檎のもとに見えしとき 前にさしたる花櫛の 花ある君と思ひけり

島崎藤村『若菜集』
別の言葉を引く

島崎藤村の名言

花ある君と思ひけり

書き下しまだあげそめしまえがみの りんごのもとにみえしとき まえにさしたるはなぐしの はなあるきみとおもいけり

出典
『若菜集』「初恋」第1連(1897年)
確認
原典で確認原文が載っている資料で、該当する箇所を確かめました。確認した資料

この言葉の背景

藤村が25歳で出した第一詩集『若菜集』の一篇です。結い上げたばかりの前髪の少女を林檎の木の下で見かけ、髪にさした花櫛とともに、花のような人だと思った出会いの場面をうたいます。全4連の七五調で、最後の連は、林檎畑の木の下におのずとできた細道を「だれが踏みはじめた跡なのか」と君がたずねるのがいとしい、と結ばれます。

今日の生かし方

眠れない夜に昔のことを思い出したら、悔やむ代わりに、その場面の色や香りを一つだけ思い浮かべてみてください。藤村が林檎と花櫛で覚えていたように、よかった記憶は小さな細部から戻ってきます。

画像で保存

背景の色を選ぶと、縦書きの画像(1080×1350)を保存します。