いわゆる頭のいい人は、言わば足の早い旅人のようなものである。人より先に人のまだ行かない所へ行き着くこともできる代わりに、途中の道ばたあるいはちょっとしたわき道にある肝心なものを見落とす恐れがある。頭の悪い人足ののろい人がずっとあとからおくれて来てわけもなくそのだいじな宝物を拾って行く場合がある。

寺田寅彦『科学者とあたま』
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寺田寅彦の名言

頭のいい人は、足の早い旅人

出典
『科学者とあたま』随筆(1933年)
確認
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この言葉の背景

「科学者は頭がよくなくてはいけない」と「科学者は頭が悪くなくてはいけない」という、矛盾して見える二つの言葉はどちらも正しい、と説いた随筆の一節です。物理学者として、見通しのよさが近道をさせる一方で、のろのろ歩く人だけが拾える発見があることを、旅人のたとえで語っています。

今日の生かし方

仕事や勉強で「自分は飲みこみが遅い」と感じたら、その遅さを道ばたを見る時間だと考えてみてください。今日は、急いで片づけた作業を一つだけ見直し、見落としていたことがないか確かめましょう。

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